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MIRACORE®と創る新たな江戸前の味 - 総本家更科堀井さまインタビュー

2024.06.28

コラボレーター

MIRACORE®と創る新たな江戸前の味 - 総本家更科堀井さまインタビュー

2023年10月から、MIRA-Dashi®(ミラダシ)C400を活用したメニューを月替わりで提供いただいている総本家更科堀井さま。 江戸時代から続く老舗蕎麦屋がなぜ<鰹を使わない蕎麦>を…? そんな疑問を持たれる方も少なくないでしょう。 今回は、MIRACORE®の新たな可能性を見出していただいた9代目当主・堀井良教さまにお話を聞きます。

総本家 更科堀井さまの「ヴィーガン蕎麦」

MIRACORE
昨年10月にMIRA-Dashi®を使った「ヴィーガンメニュー」をスタートされてから、大豆ミートを使った「ねぎNIKUせいろ」など、魅力的なメニューをいくつも手がけていただいています。

あらためて、チャレンジのきっかけをお聞きしても良いでしょうか。

堀井良教社長(以下、敬称略)
実はね、10年前くらいに一度、ヴィーガン蕎麦を試作してるんですよ。

MIRACORE
10年前というと、日本でヴィーガンやプラントベースが話題になるずっと前ですよね…!?

堀井
そう、結構早かったですよね。
きっかけははっきり覚えてはないのですが、ちょっとヴィーガンレシピにもチャレンジしてみようかなと思って。
やっぱり、新しいことにチャレンジしていきたい、みたいなマインドがあるんですよね。

24年4月の「ヴィーガンメニュー」

堀井
そのときは、いろんな野菜でダシを引いて工夫はしていたんだけれど、どうしても醤油に負けちゃっていたんです。

江戸前のそばつゆは濃口醤油と鰹出汁で作るんですが、そこでの鰹出汁の役割は、醤油を「手なづける」ことです。醤油の角をとりつつ、鰹のうまみが相まって、おいしくそばを食べさせるつゆができるんです。

MIRACORE
鰹出汁が使えないとなると、味の組み立て方を変えなければいけないんでしょうか?

堀井
そうなんです。その時は、醤油を薄くするしかなくて、どうしても江戸前のそばの味には仕上がらなかった。

MIRACORE®のカツオダシを最初に見たときはちょっと衝撃的でした。これだったらできるかもな、と思ってもう一度チャレンジしてみたんです。

MIRACORE
MIRA-Dashi®が、鰹出汁のように濃口醤油を「手なづけられる」……私たちが思いもよらなかった効果です。

23年11月の「寒干し大根せいろ」画像:総本家更科堀井さまご提供

堀井
大豆ミートも使えると、まるで肉蕎麦のようなものができたり、レシピのバリエーションが増やせます。いろいろできて、楽しいですよね。

MIRACORE
ほんとうに、次々と新たな料理にチャレンジをされていますよね。堀井さんの「創る楽しさ」はメニューからも伝わってきます。

江戸前の味を「再構築」する

総本家更科堀井 麻布十番本店

MIRACORE
江戸時代に創業してからの間、更科堀井さんのそばつゆは一子相伝、同じレシピを守ってきたのでしょうか?

堀井
実はね、うちはおじいちゃんの代で一度廃業しているんですよ。そのあと、地元の人たちの支援もあって戦後に復興したのが、永坂の更科さんです。

MIRACORE
…ということは、そのとき、このお店 更科堀井は存在しなかったということですよね。

堀井
そう。うちの父は永坂更科さんで働いていたんだけれど、やっぱりもう一度家業としてお店を持ちたいという思いがあったんです。

それで40年前、当時大学生だった僕に「おまえが一緒にやるんだったらやるけど、どうする」って。そんな誘われ方したら…断れないですよね(笑)

MIRACORE
とてもじゃないけれどNoとは言えないです(笑)。

堀井
父とここのお店をやるにあたって、僕は、祖先の時代にのれん分けされたお店に習いに行ったんです。

築地の更科さんとか、大森海岸の更科さんとか、あと大門の更科さん、神田の更科さん…。それと江戸前蕎麦の砂場さん、藪蕎麦さんにもお世話になりましたね。

そうやって学んだ内容から僕が再構成するような形でできあがったのが、今のお店のつゆであり、お店の味です。

MIRACORE
更科堀井の味は、堀井さんが江戸前蕎麦の源流をたどって再構築したものということですか…!

堀井
そうですね。「逆輸入」というか、「再構築」というか。

うちのおばあちゃんにも、味を見てもらっていたことがあったんだけれど「いいんだよ、お前がおいしいと思えば」と、許容してくれたんです。

MIRACORE
その時点ですでに「堀井さんの味」になっていたんでしょうね。でも、更科堀井の<この味>に長年のファンが着いているように思います。

ヴィーガンメニューの今後

MIRACORE
ヴィーガンメニューの今後について、何かお考えのことはありますか?

堀井
継続していくことが何より大事だと思います。時代の流れは少しずつでも変わっていくので、今需要が大きくないから諦めちゃうよりも、ずっと継続していればいつしかパイオニアになっているかもしれない。

だからこそ、お店でのオペレーションは無理がないように工夫しています。

現場もパッとできて、しかもお客さんが喜んでくれて、そこに毎月メニューが変わっていく楽しさもあれば、ファンがだんだん増えてくるんじゃないかと思っています。

【実食】4月のメニュー「揚げ生麩つけせいろ」

植物性の「揚げ生麩つけせいろ」

(当然だと怒られるかもしれませんが)まずとにかく、お蕎麦がおいしい…。

そして、そんな上質なお蕎麦がしっかりと味わえる、おいしいつゆです。
まとまりのある辛口つゆで、醤油を「手なづける」MIRA-Dashi®C400の効果が感じられました。

具の焼き野菜にも工夫を凝らしていただいています。おなじ植物性の「かえし」で下味をつけ、さらにネギの香りをつけた油で焼いているそう。噛めば噛むほど味がして、これだけご飯にのせて食べたら止まらなくなりそうです。

「ヴィーガンメニュー」は、お店の英語メニューにも掲載いただいています。口コミでの評判か、外国人のお客様が注文されることが増えてきているそう。

最近は日本人の方が頼まれることも増えてきたとのことで、お話されていたようにファンが増えてきているのかもしれません。

6月のメニュー、豆乳のシチューうどんもおいしかったです!

毎月次々と新しいメニューを生み出されていて、クリエイティブな堀井さん。 持ち前の創造力に加えて、江戸前の味の「根っこ」を知っているからこそ、植物性で表現するという大胆な挑戦ができたのかもしれません。 これからも、堀井さんとMIRACORE®のチャレンジは続きます――